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雲外の峰 (2017-5-14 0:01:36)あい (2016-6-23 7:41:59)
あい 永遠に在り
?田 郁 角川春樹事務所 2013.1
幕末から明治にかけて、活躍した名医関寛斎とその妻「あい」の夫婦の物語。
関寛斎はオランダ医学を学び、戦争時は敵の傷病者も視るという思想の持ち主だった。司馬遼太郎も小説「胡蝶の夢」に登場させた。
だが、あいの資料はほとんどない。
著者は、寛斎の言葉「婆はわしより偉かった」に着目して、あいの物語を構築してみたという。
東金で極貧の農家に生まれ育ち、寛斎に嫁いでまもなく銚子に移り、ここで、ヤマサ醤油の創業者に出会う。後にいろいろと援助を受ける。
寛斎が阿波の藩医となり、一家は阿波に移住する。寛斎は戊辰戦争のときは、官軍の軍医として参加し、見方に理解されずとも敵の傷病者も治療し、明治政府に絶賛された。そして七十歳を過ぎて全財産を投じて夫婦で北海道の開拓に挑む。開拓は道半ばでその地で没す。
マイナス面もあると思うが、あえてプラス面だけを選んだようだ。
このようにひたむきに生きる人を語るのが、?田郁の魅力であろうか。特に極貧の描写は胸を打つ。著者は貧しいという意味を知っているようだ。
関寛斎は理想を持ち、それを実行しようとするが、少し上滑りしている。しっかりと現実を把握しているあいがいたからできたこと。あいの存在は重い。
?田 郁 角川春樹事務所 2013.1
幕末から明治にかけて、活躍した名医関寛斎とその妻「あい」の夫婦の物語。
関寛斎はオランダ医学を学び、戦争時は敵の傷病者も視るという思想の持ち主だった。司馬遼太郎も小説「胡蝶の夢」に登場させた。
だが、あいの資料はほとんどない。
著者は、寛斎の言葉「婆はわしより偉かった」に着目して、あいの物語を構築してみたという。
東金で極貧の農家に生まれ育ち、寛斎に嫁いでまもなく銚子に移り、ここで、ヤマサ醤油の創業者に出会う。後にいろいろと援助を受ける。
寛斎が阿波の藩医となり、一家は阿波に移住する。寛斎は戊辰戦争のときは、官軍の軍医として参加し、見方に理解されずとも敵の傷病者も治療し、明治政府に絶賛された。そして七十歳を過ぎて全財産を投じて夫婦で北海道の開拓に挑む。開拓は道半ばでその地で没す。
マイナス面もあると思うが、あえてプラス面だけを選んだようだ。
このようにひたむきに生きる人を語るのが、?田郁の魅力であろうか。特に極貧の描写は胸を打つ。著者は貧しいという意味を知っているようだ。
関寛斎は理想を持ち、それを実行しようとするが、少し上滑りしている。しっかりと現実を把握しているあいがいたからできたこと。あいの存在は重い。