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雲外の峰 (2017-5-14 0:01:36)おしゃべりな訪問者 (2016-7-14 8:07:56)
おしゃべりな訪問者
小松左京 筑摩書房 1975.7
小説の形を借りた、歴史や思想の解説である。
古ぼけたタイムマシンに乗り、時間旅行をして、歴史上の人物に架空インタビューをするという趣向。
アウストラロピテクス属・クレオパトラ・秦の始皇帝・アステカ王モテクソーマ・元寇の高麗将軍金方慶・足利義満・大内義弘・本居宣長。最後に仏の影まで出てくる。
著者の歴史についての相当な博識ぶりを披露している。また仏教論というか仏教哲学も読むに値する。
いま読み返してみても、内容は古くないと思う。
アウストラロピテクスは猿人なので、一方的にしゃべるばかりで相手は態度で示すのみ。意思は通じているらしい。現人類は必要以上に攻撃性を持っているとか。
クレオパトラには、日本では卑弥呼をはじめ、何人も女帝がたっていると教えるとか。
クレオパトラの目算違いは、ローマがあまりにも紊乱・野蛮・無秩序であったこと。
金方慶は、日本の外交政策の無知のため、元によって高麗は壊滅的被害を受けた話。もっとも恨むのは元であるべきで、日本を恨むのは筋違いなのだが。
足利義満の日本発展の大構想など。
仏教においては、仏陀の語ったことと、後の仏教のあり方が、あまりにかけ離れている話とか。
はじめは仏陀の像はなかったとか。地獄極楽はないとか。
釈迦は答えないとした4つの問い。
宇宙は永遠か、宇宙は有限か、霊魂と肉体は同一か、解脱したつまり如来は死後存続するか。
これは考えても生活実践の上に何の関係もない。だから答えない。それにもかかわらず、後に大展開してしまった。
こんな、著者の博覧強記ぶりを示す一冊。
小松左京 筑摩書房 1975.7
小説の形を借りた、歴史や思想の解説である。
古ぼけたタイムマシンに乗り、時間旅行をして、歴史上の人物に架空インタビューをするという趣向。
アウストラロピテクス属・クレオパトラ・秦の始皇帝・アステカ王モテクソーマ・元寇の高麗将軍金方慶・足利義満・大内義弘・本居宣長。最後に仏の影まで出てくる。
著者の歴史についての相当な博識ぶりを披露している。また仏教論というか仏教哲学も読むに値する。
いま読み返してみても、内容は古くないと思う。
アウストラロピテクスは猿人なので、一方的にしゃべるばかりで相手は態度で示すのみ。意思は通じているらしい。現人類は必要以上に攻撃性を持っているとか。
クレオパトラには、日本では卑弥呼をはじめ、何人も女帝がたっていると教えるとか。
クレオパトラの目算違いは、ローマがあまりにも紊乱・野蛮・無秩序であったこと。
金方慶は、日本の外交政策の無知のため、元によって高麗は壊滅的被害を受けた話。もっとも恨むのは元であるべきで、日本を恨むのは筋違いなのだが。
足利義満の日本発展の大構想など。
仏教においては、仏陀の語ったことと、後の仏教のあり方が、あまりにかけ離れている話とか。
はじめは仏陀の像はなかったとか。地獄極楽はないとか。
釈迦は答えないとした4つの問い。
宇宙は永遠か、宇宙は有限か、霊魂と肉体は同一か、解脱したつまり如来は死後存続するか。
これは考えても生活実践の上に何の関係もない。だから答えない。それにもかかわらず、後に大展開してしまった。
こんな、著者の博覧強記ぶりを示す一冊。