囲碁BlogNet - 囲碁ブログ更新情報
メイン | 簡易ヘッドライン |
FEED 単体表示
雲外の峰 (2017-5-14 0:01:36)主食をやめると健康になる (2016-7-16 7:43:25)
2013年9月21日 記
10月26日 追記
主食をやめると健康になる
糖質制限食で体質が変わる!
江部康二 ダイヤモンド社 2011.11
この本は快書か怪書か
この本を図書館で予約して数ヶ月になる。題名も忘れていた。あるダイエット成功者に紹介された本である。
副題にもあるように、糖質を制限することがダイエットや糖尿病退治の基本という。カロリー制限では難しい。肉食ならいくら食べても太らないと。ここでいう主食とは、米・小麦・トウモロコシ・蕎麦・芋などのことである。
ここでいくつかの疑問が浮かぶ。
1.わたしは、「必要とするカロリーより多く摂れば太り、足りなければ痩せる」と思っている。肉食で摂りすぎたカロリーはどうなるのか。
2.俗に肉食といわれるアメリカ人の多くが太りすぎなのは説明できるか。
3.米を主食とする日本食はヘルシーといわれているが、この定説を覆せるか。
4.米はアメリカなどでダイエット食として食べられていると聞くが、それは間違いか。
5.著者本人がこれで、糖尿病を克服しダイエットに成功したというが、個別な例を一般化していないか。因果関係は確定したか。
などなど。
内容をざっと言うと、
糖質食によって血糖値が上がり、それを抑制するインスリンが大量に出る。インスリンは肥満ホルモンであり、故に糖質食によって肥満になる。
だからダイエットには糖質食を避ければよいと説く。
1.については、「肥満の原因は糖質の摂りすぎ」と繰り返して説明しているが、p59には「摂取カロリーが消費カロリーより多ければ太る」と矛盾する記述がある。p184にはカロリー節約体質の人は、糖質制限に加えてカロリー制限で痩せる人もいる、と。
p127には、ある焼き肉屋の主が、いろいろ試みて糖質制限にたどりつき「何だ、カロリー制限なんて気にせずに自分の店の焼き肉を食べればいいということか」で、10キロも減量し標準体重になった、という。話は本当であろうが、誰でもこうなるといえるのか。
2.については、貧しい人が糖質食に偏ったという。しかし、前に紹介した、 ルポ貧困大国アメリカ では、むしろ貧しいが故に脂質食が多くなって、肥満児が増えたという。
どちらの説が正しいか。
なぜ糖質制限なのかについては、農耕以前は肉食系であったろうという。
チンパンジー・ゴリラ・オランウータンなど、類人猿が草食系であることを考えると、説得力に乏しいが、人類だけが例外ということもあるし、数百万年のうちに変わったとも考えられる。
糖質食は農耕が始まってからで、まだ一万年ほど。人類の身体はまだ糖質食に合っていない、というのは説得力があるが、一万年では絶対変わらないともいえない。
酒については、蒸留酒はよいが、ビールや酒(日本酒)はNG。
3.4.については、糖質が多くNGという。
単に否定するだけでなく、誤解の原因も説明して欲しい。これでは日本食を食べていて痩せている人の説明がつかない。東南アジアは米食地帯だが、米を食べていて太っていない人は多い。説明がないとわたしなど、
3.4.については、糖質が多いから、糖質食はOK。と結論が逆になってしまう。(大前提、日本食はダイエット食である。小前提、米などは糖質である。結論、糖質食はダイエットによい。)
わたしは、雲上世界に写真を載せているが、決して太っているわけではない。「こんなに痩せた人がどうして登山を…」と言われるほどだ。基本は糖質食であるのに。
ざっと比べてみても、肉食系で太っている人の方が日本食で太っている人より多い。それも桁違いに多く感じられる(感じるだけで統計資料は持っていない)。本書の根本の主張に疑問を生じさせる。
5.については、病院の理事長でもあり、多くの実例があるらしい。ただし、本来糖尿病の治療として行ったことなので、ダイエット目的でもできるか、素人のわたしには因果関係がいまひとつ。つまり、糖尿病系の身体不調が直ったので、ダイエットもできたのではないかという疑い。
この時点で1400以上の例があるらしい。しかし失敗例はどのくらいか。10例か1000例かで評価が変わる。
とにかく多くの人に効果があったらしいことは判った。
…………………………
読み終えて、書いている人の真摯な態度は感じるが、本当だろうかという、疑いが消えない。
逆に、はじめに「摂取カロリーが消費カロリーより多ければ太る」と明言し、それに矛盾しないように話を展開すれば納得できるのに、p127の例もあるように、あちこちで肉食ではいくら食べても太らないと匂わせている、のが問題なのだ。
この書き方は、愚にもつかぬ「◯◯健康法」と同じではないか。
わたしは肉食でも食べ過ぎれば太ると思う。
初めの印象は、例えば「◯◯定食の飯やパンは食べるな」と言っているのだと思っていた。それならカロリー制限として効果的だ。紹介してくれた人の食事内容を写真で見るとそんな感じだった。
わたしのまわりの人も、これに似た指導を医師から受けたようだが、ここまで徹底していない。食品のバランスも考えてしまう。だから思うように治らないのか。
六信四疑くらいの心境である。
本論から外れるが、
農耕以前の食べ物が本来の食べ物かどうか。本来の食物ならいいが、そうではないときはストレスを伴う。農耕によってようやく本来の食べ物を取り戻した可能性もあるのだ。
コメントのリンクが間違っているので、ここに訂正します。
蘭嶼11 風格ある社会
…………………………
10月26日 追記 わたしの推測的な結論
まず類人猿のことを考えて、農耕以前は肉食であったという話は疑ってしまう。
雑食だったが、基本は草食であったと思える。穀物は少ないので今のように糖質食を飽食することはできなかった。だから身体は少しでも栄養に余裕があれば肥満にまわして、飢餓に備えていた。
現在は穀物食になって、飢えることなく常に余裕がある。故に太りやすい。普通の人で1日なにも食べずに過ごした人は珍しいだろう。
ここで穀物食分を肉食に変えるとどうなるか。例えば、御飯200グラム肉50グラム食べていた人が肉250グラムは食べないだろう。
このことから考えると、無理なくカロリー制限ができる。だからダイエットは成功しやすい。
そしてこの本は、糖尿病系統の人の健康回復を主眼としている。それには糖質制限は納得できる。健康になればダイエットもしやすい。
わたしは今後も無理せず糖質を減らすつもりだ。1食は飯を食べないなど。この本を読む前から、これに近い食事をしているので、さほどの努力は要らない。今のところ体型に変化はない。
ある女性は、テレビでこのダイエットの話を聞いて、本能的に違うなと感じたと言う。
…………………………
ウィキhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%82%A5%E6%BA%80によれば、(わたしは検証や統計の確認をしていないの意味)
☆肥満は概ね標準体重より20%以上体重が超過した辺りからを肥満と呼ぶ。
☆肥満は生活習慣病をはじめとして、数多くの疾患の危険因子 (risk factor)となる。先進諸国では病気の主要原因が肥満によるものとなっている。
この内容は細かい。
単純性肥満は、エネルギーの摂取過剰や消費不足によってもたらされたものである。いわゆる暴飲暴食等の「食べ過ぎ」や運動不足である。
代謝異常や内分泌疾患の一部でも肥満を来たす。病的な肥満も細かくあげている。
1961年から2002年まで
☆肥満は社会問題化している。世界的には、男性の24%と女性の27%が肥満である。一般的に、アジア諸国に比べると欧米諸国では肥満の人々の割合が高い。日本では、肥満(BMI30以上)の頻度は3%であるが、アメリカでは、30%以上で、流行病となっており、単純性肥満は肥満の約90%を占める。日本では成人だけではなく小児の肥満も最近増加しており、10−12歳では、男子の10%、女子の8−9%が肥満であり、その9割以上が単純性肥満である。
この他、欧米の肥満状況も詳しい。
驚いたのは中国の状況。
☆ファーストフードが中国に根付くことは、当然食べる側に肥満や生活習慣病のリスクが伴うことになる。
近年では肥満が急増しており、2010年の肥満人口は3億2500万人であったが、2030年には倍増して6億5000万人に達する見通しだという。
10月26日 追記
主食をやめると健康になる
糖質制限食で体質が変わる!
江部康二 ダイヤモンド社 2011.11
この本は快書か怪書か
この本を図書館で予約して数ヶ月になる。題名も忘れていた。あるダイエット成功者に紹介された本である。
副題にもあるように、糖質を制限することがダイエットや糖尿病退治の基本という。カロリー制限では難しい。肉食ならいくら食べても太らないと。ここでいう主食とは、米・小麦・トウモロコシ・蕎麦・芋などのことである。
ここでいくつかの疑問が浮かぶ。
1.わたしは、「必要とするカロリーより多く摂れば太り、足りなければ痩せる」と思っている。肉食で摂りすぎたカロリーはどうなるのか。
2.俗に肉食といわれるアメリカ人の多くが太りすぎなのは説明できるか。
3.米を主食とする日本食はヘルシーといわれているが、この定説を覆せるか。
4.米はアメリカなどでダイエット食として食べられていると聞くが、それは間違いか。
5.著者本人がこれで、糖尿病を克服しダイエットに成功したというが、個別な例を一般化していないか。因果関係は確定したか。
などなど。
内容をざっと言うと、
糖質食によって血糖値が上がり、それを抑制するインスリンが大量に出る。インスリンは肥満ホルモンであり、故に糖質食によって肥満になる。
だからダイエットには糖質食を避ければよいと説く。
1.については、「肥満の原因は糖質の摂りすぎ」と繰り返して説明しているが、p59には「摂取カロリーが消費カロリーより多ければ太る」と矛盾する記述がある。p184にはカロリー節約体質の人は、糖質制限に加えてカロリー制限で痩せる人もいる、と。
p127には、ある焼き肉屋の主が、いろいろ試みて糖質制限にたどりつき「何だ、カロリー制限なんて気にせずに自分の店の焼き肉を食べればいいということか」で、10キロも減量し標準体重になった、という。話は本当であろうが、誰でもこうなるといえるのか。
2.については、貧しい人が糖質食に偏ったという。しかし、前に紹介した、 ルポ貧困大国アメリカ では、むしろ貧しいが故に脂質食が多くなって、肥満児が増えたという。
どちらの説が正しいか。
なぜ糖質制限なのかについては、農耕以前は肉食系であったろうという。
チンパンジー・ゴリラ・オランウータンなど、類人猿が草食系であることを考えると、説得力に乏しいが、人類だけが例外ということもあるし、数百万年のうちに変わったとも考えられる。
糖質食は農耕が始まってからで、まだ一万年ほど。人類の身体はまだ糖質食に合っていない、というのは説得力があるが、一万年では絶対変わらないともいえない。
酒については、蒸留酒はよいが、ビールや酒(日本酒)はNG。
3.4.については、糖質が多くNGという。
単に否定するだけでなく、誤解の原因も説明して欲しい。これでは日本食を食べていて痩せている人の説明がつかない。東南アジアは米食地帯だが、米を食べていて太っていない人は多い。説明がないとわたしなど、
3.4.については、糖質が多いから、糖質食はOK。と結論が逆になってしまう。(大前提、日本食はダイエット食である。小前提、米などは糖質である。結論、糖質食はダイエットによい。)
わたしは、雲上世界に写真を載せているが、決して太っているわけではない。「こんなに痩せた人がどうして登山を…」と言われるほどだ。基本は糖質食であるのに。
ざっと比べてみても、肉食系で太っている人の方が日本食で太っている人より多い。それも桁違いに多く感じられる(感じるだけで統計資料は持っていない)。本書の根本の主張に疑問を生じさせる。
5.については、病院の理事長でもあり、多くの実例があるらしい。ただし、本来糖尿病の治療として行ったことなので、ダイエット目的でもできるか、素人のわたしには因果関係がいまひとつ。つまり、糖尿病系の身体不調が直ったので、ダイエットもできたのではないかという疑い。
この時点で1400以上の例があるらしい。しかし失敗例はどのくらいか。10例か1000例かで評価が変わる。
とにかく多くの人に効果があったらしいことは判った。
…………………………
読み終えて、書いている人の真摯な態度は感じるが、本当だろうかという、疑いが消えない。
逆に、はじめに「摂取カロリーが消費カロリーより多ければ太る」と明言し、それに矛盾しないように話を展開すれば納得できるのに、p127の例もあるように、あちこちで肉食ではいくら食べても太らないと匂わせている、のが問題なのだ。
この書き方は、愚にもつかぬ「◯◯健康法」と同じではないか。
わたしは肉食でも食べ過ぎれば太ると思う。
初めの印象は、例えば「◯◯定食の飯やパンは食べるな」と言っているのだと思っていた。それならカロリー制限として効果的だ。紹介してくれた人の食事内容を写真で見るとそんな感じだった。
わたしのまわりの人も、これに似た指導を医師から受けたようだが、ここまで徹底していない。食品のバランスも考えてしまう。だから思うように治らないのか。
六信四疑くらいの心境である。
本論から外れるが、
農耕以前の食べ物が本来の食べ物かどうか。本来の食物ならいいが、そうではないときはストレスを伴う。農耕によってようやく本来の食べ物を取り戻した可能性もあるのだ。
コメントのリンクが間違っているので、ここに訂正します。
蘭嶼11 風格ある社会
…………………………
10月26日 追記 わたしの推測的な結論
まず類人猿のことを考えて、農耕以前は肉食であったという話は疑ってしまう。
雑食だったが、基本は草食であったと思える。穀物は少ないので今のように糖質食を飽食することはできなかった。だから身体は少しでも栄養に余裕があれば肥満にまわして、飢餓に備えていた。
現在は穀物食になって、飢えることなく常に余裕がある。故に太りやすい。普通の人で1日なにも食べずに過ごした人は珍しいだろう。
ここで穀物食分を肉食に変えるとどうなるか。例えば、御飯200グラム肉50グラム食べていた人が肉250グラムは食べないだろう。
このことから考えると、無理なくカロリー制限ができる。だからダイエットは成功しやすい。
そしてこの本は、糖尿病系統の人の健康回復を主眼としている。それには糖質制限は納得できる。健康になればダイエットもしやすい。
わたしは今後も無理せず糖質を減らすつもりだ。1食は飯を食べないなど。この本を読む前から、これに近い食事をしているので、さほどの努力は要らない。今のところ体型に変化はない。
ある女性は、テレビでこのダイエットの話を聞いて、本能的に違うなと感じたと言う。
…………………………
ウィキhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%82%A5%E6%BA%80によれば、(わたしは検証や統計の確認をしていないの意味)
☆肥満は概ね標準体重より20%以上体重が超過した辺りからを肥満と呼ぶ。
☆肥満は生活習慣病をはじめとして、数多くの疾患の危険因子 (risk factor)となる。先進諸国では病気の主要原因が肥満によるものとなっている。
この内容は細かい。
単純性肥満は、エネルギーの摂取過剰や消費不足によってもたらされたものである。いわゆる暴飲暴食等の「食べ過ぎ」や運動不足である。
代謝異常や内分泌疾患の一部でも肥満を来たす。病的な肥満も細かくあげている。
1961年から2002年まで
☆肥満は社会問題化している。世界的には、男性の24%と女性の27%が肥満である。一般的に、アジア諸国に比べると欧米諸国では肥満の人々の割合が高い。日本では、肥満(BMI30以上)の頻度は3%であるが、アメリカでは、30%以上で、流行病となっており、単純性肥満は肥満の約90%を占める。日本では成人だけではなく小児の肥満も最近増加しており、10−12歳では、男子の10%、女子の8−9%が肥満であり、その9割以上が単純性肥満である。
この他、欧米の肥満状況も詳しい。
驚いたのは中国の状況。
☆ファーストフードが中国に根付くことは、当然食べる側に肥満や生活習慣病のリスクが伴うことになる。
近年では肥満が急増しており、2010年の肥満人口は3億2500万人であったが、2030年には倍増して6億5000万人に達する見通しだという。