囲碁BlogNet - 囲碁ブログ更新情報
メイン | 簡易ヘッドライン |
FEED 単体表示
雲外の峰 (2017-5-14 0:01:36)日本海 その深層で起こっていること (2016-10-9 11:54:52)
日本海 その深層で起こっていること
蒲生俊敬 講談社 2016.2
日本海の成り立ちや、小さいながら独立して生きている理由などの解説である。
深海の生物などを考えていたが、それはなかった。
日本海の広さは、世界の海域の広さの0.3%でしかない。
対馬海峡・津軽海峡・宗谷海峡・間宮海峡という浅くて狭い海峡で外海とつながっている。そのため海水の出入りが少なく、干満の差がわずかである。水深は最大3800mとかなり深い。
このような地形では、深層は死の海となる。その例が黒海だ。
ところが日本海は、比較的塩分濃度の濃い対馬暖流が北上して、酸素をたっぷり含んだ海水が北で冷やされ、重くなった沈み込む。そのため循環が生じ下層では掻き回され、100〜200年で循環は1周する(熱塩循環)。そのため深層でも酸素を含んだ生きた海水である。大洋では、その10倍2000年もかけて循環が1周するといわれている。黒海はこの循環が生じていないため、低層は死の海になる。
こんなことから、日本海は豊かな海になり、季節風もあって対馬海流の蒸気が雪(雨ではなく)になり、国土も豊かになった。
日本海はずっとそうだったわけではない。8000年前は死の海だったという。
日本列島と大陸との微妙な距離、日本海の微妙な形が成立して豊かさをもたらすようになった。そのため、気候変動の影響を受けやすい海でもある。
そんなことをいろいろな資料を用いて説明し、日本の歴史も考察する。
そして今、温暖化によって、北海での冷え込みが弱まり、沈み込みが少なくなっている。循環が弱まり、深層では酸素が少なくなっている。同時に雪不足になり、日本の豊かさを損ねることになる。
これが世界の海に対する警告となっているのだ。
蒲生俊敬 講談社 2016.2
日本海の成り立ちや、小さいながら独立して生きている理由などの解説である。
深海の生物などを考えていたが、それはなかった。
日本海の広さは、世界の海域の広さの0.3%でしかない。
対馬海峡・津軽海峡・宗谷海峡・間宮海峡という浅くて狭い海峡で外海とつながっている。そのため海水の出入りが少なく、干満の差がわずかである。水深は最大3800mとかなり深い。
このような地形では、深層は死の海となる。その例が黒海だ。
ところが日本海は、比較的塩分濃度の濃い対馬暖流が北上して、酸素をたっぷり含んだ海水が北で冷やされ、重くなった沈み込む。そのため循環が生じ下層では掻き回され、100〜200年で循環は1周する(熱塩循環)。そのため深層でも酸素を含んだ生きた海水である。大洋では、その10倍2000年もかけて循環が1周するといわれている。黒海はこの循環が生じていないため、低層は死の海になる。
こんなことから、日本海は豊かな海になり、季節風もあって対馬海流の蒸気が雪(雨ではなく)になり、国土も豊かになった。
日本海はずっとそうだったわけではない。8000年前は死の海だったという。
日本列島と大陸との微妙な距離、日本海の微妙な形が成立して豊かさをもたらすようになった。そのため、気候変動の影響を受けやすい海でもある。
そんなことをいろいろな資料を用いて説明し、日本の歴史も考察する。
そして今、温暖化によって、北海での冷え込みが弱まり、沈み込みが少なくなっている。循環が弱まり、深層では酸素が少なくなっている。同時に雪不足になり、日本の豊かさを損ねることになる。
これが世界の海に対する警告となっているのだ。