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京都でつづる囲碁の品格 (2017-5-14 0:03:01)?DeepZenGo の死活誤認!?〜囲碁電王戦第1局 (2016-11-20 8:21:27)
昨日の囲碁電王戦第1局、アルバイトスタッフとして一力七段・万波三段の大盤解説の部屋で見守ってました。
まず驚いたのがスタッフや機材の数。大盤解説の部屋だけで10人ぐらいは詰めてました。それでも「今回は人数が少なかった」的なことも言われてましたので、テレビ業界とかからすれば、あのクォリティの番組を作るには最低限あれぐらい、という常識的なところなのかもしれません。
それと一力遼七段の解説。これはニコニコの中継をみていた皆さんも感じられたと思いますが、一瞬で手が見える様子がすごかったです。他のプロの人たちのNHK杯の解説などみてると、「えっと...」とか、手を読んだり確認するのに一呼吸というか、多少の間はあるわけですよ。ところが一力七段はどんな場面でも、その「間」がなく瞬時。みてて気持ちよかったですね。
さて、対局のほうですが、DeepZenGo のほうが自己評価で勝率70%ぐらいまでいきながら、上辺でまるまる2目損したり、右下に対して下辺からも右辺からも利かすことなく黒に打たれたりヨセの損を重ねて逆転負けをしたように見受けられるわけですが、その理由はもしかすると....右下の死活誤認では??
と思ったわけです。
実際、ディープラーニングとは直接関係ない囲碁についての作り込みの部分で DeepZenGo とかなり共通していると思われる 天頂の囲碁6で、↓の局面でまだ右下をセキであるかのような認識をしています。
ダメがつまってやっと白の取られを認識しました。
右下、白が取られていることがわかっていないのなら、なるほど、下辺右方のコスミ(13-18)が先手になるとはわからないわけです。(この碁の流れでいちばん疑問だったのは、「左上で店仕舞いにとりかかる人は、下辺右方のコスミ(13-18)をタイミングよく利かすもんじゃないの?」でした)
また、右下の取られがわかってなかったなら、形勢も大差でリードということになります。
モンテカルロ法ではその後のプレイアウトで勝率が高くなる着手を選ぶわけですから、リードしている範囲内で損な手を打っても勝率が変わらない状況であれば、損な手を平気で打ってしまうことも充分に起こりえます。上辺のまるまる2目損もそういう事情だった可能性もありますね。
数ヶ月前の↓を思い出してしまいましたが、果たして真相は??
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